うつヌケ を読んで

うつ病は女性の方が発症やすいが、うつ病による自殺者は男性の方が2倍多いらしい。
男性の方が、自分が重症だという認識がしにくいのかもしれません。

今までに、これ以上に男性が受け入れやすいタッチのうつ病に関する本は
無かったので画期的だと思いました。

発症した経験が無いと、うつ病がどんな感じなのか、いまいち分かったようで分からないことが多い。

これは漫画なのですが、(手塚治虫風?)田中 圭一さんの画力にまず驚きます。
軽いタッチで読めます。

そしてうつが、本書ではお化けのような形で表現されるのですが、
すぐそばにあるものだという感覚の表現が割と正確だと思いました。
自分が20代前半でうつ病になった時、
「そういえばこうだったな~」思い出しました。

内容はしっかりドキュメンタリー。インタビューを軸に、どうやってうつ病と付き合ったか?
それぞれのケースを丁寧に追っていきます。読んでいるうちに、
「つらい気分は悪い事でも特別なことでもないし、こんなに多くの人が同じ思いをしているんだ」
と気づけるようになってきます。

精神科医からの、こんなアドバイスが役に立ちました。
朝、起き抜けにポジティブな自己暗示をかけると、意識が混濁した状態では人間は
それを事実だと認識し、そのままポジティブな意識のまま日中過ごせるそう。
なるほどやってみたいです。